文:Quick Timez

ドドん石田、現役僧侶としてお笑いに向き合うも「仏教の何が面白いか分からない」

現役の僧侶がボケを務めるお笑いコンビ・ドドん。

「南無ズ」という仏教を絡めたコミックバンドの一員としても活躍するお2人にインタビューを行い、様々なお話を伺かってきました。

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ドドん石田、現役僧侶としてお笑いに向き合うも「仏教の何が面白いか分からない」

ーーお2人がお笑いを目指したキッカケからお伺いできますか?

石田さん:私は愛媛県出身なんですけど、愛媛って西の文化があって大阪の番組とかも結構やっていて、「よしもと新喜劇」とか漫才番組とかも結構やってるので、関西の人がお笑い芸人になりたいっていう憧れがありました。

同じようなタイミングで芸人になりたいと思ってて、ちょうど「めちゃイケ」世代で「ナインティナイン」さんみたいになりたいなと心の中ではずっと思ってて…。

大学進学の時に大阪の大学ばっかり選んでたんですよ。

親から「なんで大阪の大学ばっかりなの?」って聞かれて、「実は芸人になりたいんです。」って話したら、「えー!こんな家系からそんなのが出てくるんだー!」って言われて(笑)。

「気持ちは分かるんだけど、将来的にお坊さんになる時に大卒の方が修行期間が短いから、若いうちにパパッと地元の大学出て、1年弱くらいで修行を終わらせるのはどうだい?」っていう説得を見事に受けまして。

地元の大学で落研に入って、学生お笑いに参加して4年経って修行にも行ったんですけど、やっぱり「芸人になりたいです!」ってことで…修行先の住職を説得したんですよ。

そしたらすごい理解のある住職で、「お喋りが上手いのもお坊さんとしての1個の魅力だから、娑婆(シャバ)の修行もしてきなさい。」って言ってくださって山を下りれたという。

そこで反対されてたらそのままお坊さんになってたと思いますね。

ーー安田さんはいかがですか?

安田さん:僕は小さい頃から「ダウンタウン」さんとか「ウッチャンナンチャン」さんを見て育ったんで、いずれお笑いに行きたいなとは思ってたんですけど…。

高校の友達にギターを教えてもらって、そこからバンドを遊びでやってたらすごい調子良くて。

そのままライブハウスとか出てCDも出させてもらって、「あれ、俺このままミュージシャンなっちゃうかも。」と思ってたんですけど…。

バンド内で、ボーカルとドラムが出来ちゃってて、練習中とか移動中の車内とかでイチャつきだしてしんどいなってなって(笑)。

バンド自体も低迷してきて売れるって感じじゃなくなったし、ギター自体あんまり好きじゃなくなってしまったので、就職しようかなと思ったんですけど、元々お笑いやりたかったんで、このまま就職するよりは飛び込んでみようかなと…。

ーー今バンドでギターをやられてるルーツはそこにあったんですね。

安田さん:そうですね、まさかまたバンドやるとは思ってなかったですね。

二度とバンドなんてやるかと思って、その当時使ってたギター売ったんですよ、嫌すぎて。

石田さん:コンビ組んでしばらくはギター弾ける事も知らなかったですし、完全に捨ててきた感じで、特技とか色々言っていかないといけない中で、まさかあんなに弾けるとは思ってなかったんで。

安田さん:その当時まだあんまり歌ネタみたいなのが無かったんですよ。

漫才とコントしかなくて、「ギター弾ける」って言ってもなぁ~って。

歌ネタ作ろうとも思ってなかったですし、でも、事務所の先輩の「どぶろっく」さん見て、歌ネタいけるなって。

その時ですね、初めてギター弾けるって言ったのは。

ーーお2人がコンビを結成した経緯は?

石田さん:愛媛で色んなお笑いの本とか見て、マセキ芸能社さんは「ウッチャンナンチャン」さん「バカリズム」さんくらいしか当時は売れてる人がいなくて、「次のウッチャンナンチャンは僕だ!」って思って、マセキさんの養成所に入ったらもう先に(安田さんが)居たんですよ。

安田さん:よしもとさんとかは1年とかだと思うんですけど、マセキってずっと居ていいんですよ。

3か月あって3か月休みでって感じで、その3か月が1学期としてカウントされてて、それを何学期いてもいいみたいな。

相方を探しに入ったんですけど、マセキに来る人達ってめちゃくちゃ目標が低くて(笑)。

自己紹介の時に、「○○です。人前で喋れるようになりたいです。」とか「親に言われて来ました。」みたいな(笑)。

石田さん:初めて行ったときは20人くらいだったんですけど、次の時はもう5人くらいでしたね。

安田さん:その中で相方を探すしかなくて。3回行ったんですけど、もう諦めようかなくらいの感じでようやく(石田さんが)来て…。

石田さん:募集要項に「ネタを持ってきてください。」って書いてあったんですよ。

そしてネタ出来る人~って聞かれたら僕しかいなくて(笑)。

ーーそのままマセキさんには入らずですか?

安田さん:正確には入れなかったですね、原因は遅刻なんですけど…。

その当時、6回連続で事務所ライブ出れたら仮所属出来ますみたいな噂があったんですよ。

5か月連続で出られて、「もう来月出れたら仮所属だなぁ~」みたいな話してたら、オーディションの日に石田が来なくて。

受付の人にも説明したんですけどダメで、もし来たら本当にぶん殴ってやろうかと思ってたんですよ。

そしたら、服もボロボロでバッグ引きずりながら、追剥にあったみたいな状態で来て、ぶん殴るよりも「どうした!?」ってなって(笑)。

石田さん:当時、居酒屋さんでバイトしてて、「明日オーディション受かったらやっとプロの芸人になれるんです。」って話したら飲みに行こうってなって。

飲んでたら店長が酔っぱらって他のお客さんと喧嘩みたいになったんですよ。

それに巻き込まれて服ビリビリになって、そっから警察行って、家に衣装取りに帰って、電車じゃ間に合わないからタクシーで駅まで行ってそっから電車乗ったら、タクシーの中に衣装忘れたことに気付いて、とくかく体だけでも行こうと思って電車で向かってたら、もう力尽きて寝ちゃったんですよ(笑)。

安田さん:マセキさんって礼儀正しい事務所で、遅刻とか絶対ダメなんで、そっから一切受かんなくなっちゃって。

そこでどこ行こうってなった時に、「浅井企画」と「太田プロ」と「ケイダッシュ」に同時にハガキ送って、1番最初のネタ見せが浅井で。

「どっか他も受けられてるんですか?」って聞かれて。

マセキで結構しごかれてたんで、「良いんですか!お願いします!」ってなって、そのまま入れていただいた感じですね。

ーーネタを拝見させていただいたのですが、内容が結構「仏教」が絡んでくるものだと思うんですけど、どちらが書かれてるんですか?

安田さん:実は、僕なんです。

まず、台本を一通り1から10くらいを作って、骨組みみたいなのができたら2人で肉付けして。

石田さん:あるあるとかを僕が持ってきて。

安田さん:こういう設定でやりたいなっていう所に、仏教を盛り込んでいきましょうっていう。

ーー石田さんが作ってるんだと思ってました(笑)

安田さん:それは誰も当てれないです。今まで当てた人いないですね。

石田さん:全くひらめきません!!仏教の何が面白いか分かりません!

彼は漫才に愛情はあるけど、ネタに愛情はなくて。

仏教漫才を作るロボットだと思ってます、AIですね。

単語をインプットして、丸いものを見たら「木魚」、細いものを見たら「線香」みたいな(笑)。

ーーなるほど(笑)。M-1グランプリ等の賞レースにかける思いをお聞かせください。

安田さん:絶対に決勝に行きたいっていう気持ちはありますけど…。

仏教だから大丈夫かなっていうのは毎回思いますね。

よく言うじゃないですか、政治と野球と宗教だけはダメって。

オーディションとか行ってもディレクターさんによって意見も全然違うので。

石田さん:「その格好じゃテレビ出れないよ?」って言われたこともありましたし。

坊さんなんだから学べる事言って欲しいとか、逆にキャバクラ行くとかお金好きとか暴露みたいなことを求められたり。

それが人によって全然違うので、僕らも毎回当てに行くんですけど見事に外れるんですよ(笑)。

安田さん:最後の最後で迷った時に、審査員が俺らのことを推すかなって(笑)。

テレビのネタ番組でも、ディレクターさんに「出来たら仏教ネタ減らしてください。」って言われたりしたこともあったんで…。

石田さん:この格好でテレビに出てきたとしても、真面目なことを喋る人として出てらっしゃるので、頭叩かれたりする人はいないんでね。

見たくないよそんなのって方もいますし。

ドドんのプロフィール

名前(左):石田 芳道(いしだ ほうどう)

生年月日:1985年7月21日

血液型:A型

出身地:愛媛県松山市

資格:曹洞宗住職免許、でんぱ組.inc検定、普通自動車免許

趣味:プロレス、でんぱ.組.inc、四国八十八カ所遍路

特技:読経、書道(八段)、水泳、マニアックお坊さんモノマネ

名前(右):安田 義孝(やすだ よしたか)

生年月日:1981年11月27日

血液型:O型

出身地:千葉県船橋市

趣味:Mr.children、GLAY

特技:高速ハリガネ抜き、足ギター、ギター、ベース、ドラム、作詞、作曲

現役の僧侶・石田芳道がボケを務め、ツッコミの安田義孝がネタを書くという唯一無二のお笑いコンビ・ドドん。僧侶ならではの石田の流暢な語り口に、切れ味鋭い安田のツッコミで仏教を笑いに変えるスタイルが持ち味。お笑い以外にも現在では「仏教×笑い×音楽」がテーマの仏教エンターテイメント集団「南無ズ」の一員としても活動をしており、安田は同バンドで作詞・作曲を担当している。

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ドドん出演!浅井企画の事務所ライブ&THE南無ズ 4thワンマンLIVEの詳細

ドドんの2人も参加している「仏教×笑い×音楽」をテーマにしたエンターテイメントバンド「THE 南無ズ」。

同バンドが4周年を記念してワンマンライブを行いますので、気になる方はぜひ詳細をチェックしてみてください。

THE 南無ズ 4thワンマンLIVE 『Body & 僧侶 滝行浴びて♪』の詳細

THE南無ズ 4thワンマンLIVE 『Body & 僧侶 滝行浴びて♪』

日時:1月15日(土)16:30開場/17:00開演

場所:新宿LiveFreak

OA:GET BILL MONKEYS

会場チケット:¥3000

配信チケット:¥2000

チケット販売:https://live-freak.jp/events/5743

浅井企画の事務所ライブ「55NEXT」の詳細

ドドんのお2人も出演する、浅井企画主催のお笑いライブ「55 NEXT」。

毎月、55・54・53のという3段階に分かれたライブを開催しており、お客さんの投票によって昇格や降格が決定します。

名称:55 NEXT

日時:2021年12月3日(金)開場19:20 開演19:30 (~21:00頃終演予定)

会場:バティオス with 藤崎翔(新宿区歌舞伎町2-45-4)

料金:会場観覧チケット 前売1,500円/当日1,600円(整理番号付き・全席自由)

購入はこちら:https://tiget.net/events/155638

MC:あらぽん(ANZEN漫才)& 阿見201

出演:鼻矢印永井/おちもり/オテンキ/アモーン/ジャイアントジャイアン/ブルーザー/石出奈々子/上木恋愛研究所/ドドん/ミリオンダラーベイベー/元祖いちごちゃん/インデペンデンスデイ/マリオネットブラザーズ/ニュークレープ

(文・取材:Quick Timez編集部)

(写真:RYOSUKE MAEJIMA)