文:Quick Timez 編集部

ジャニーズの次に標的になるのは「宝塚」?それとも「歌舞伎」?昔ながらの風習で隠された問題が次々掘り起こされる可能性

エンタテインメント業界に激震が走った、ジャニーズ事務所創業者の故・ジャニー喜多川氏による性加害問題。

ジャニーズ事務所の性被害に限らず、過去から現在に至るまでパワハラやセクハラ、いじめなどを隠蔽する伝統芸能として、「宝塚音楽学校」や「歌舞伎界」に厳しい視線が注がれています。

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ジャニーズの次に標的になるのは「宝塚」?それとも「歌舞伎」?昔ながらの風習で隠された問題が次々掘り起こされる可能性

エンタテインメント業界に激震が走った、ジャニーズ事務所創業者の故・ジャニー喜多川氏による性加害問題。

しかし、ジャニー喜多川氏の性加害行動は今に始まったことではなく、1980年代には実名顔出しで告発する声や裁判も。

当時、ジャニーズ事務所は一貫して「何も知らない」との説明から会見を開くことなく、その対応を問題視する声もありながら、メディアは報道に消極的でした。

長い時を経て、被害を受けた元ジャニーズJr.の勇気ある性加害の公表は社会問題の一端となり、現在も波紋は広がり続けている最中。

識者の中には、ジャニーズの性加害問題に限らず、芸能界においては例えば未成年の女性に対してそういった被害を受けた人がいたのではないか調査すべきといった声も寄せられ、大きな関心が寄せられています。

ネットには

《「ジャニーズへの忖度や優遇などがなくなれば、芸能界はクリーンだ」なんて、誰も思っていないはず》

《そんな腐った伝統はぶっ潰せ》

《ある意味守られ過ぎていた世界でもあったのかな》

《意識改革含め変わらなきゃいけない時が来た》

《ジャニーズに続き、宝塚の闇も出てくるのか??》

《猿之助さんのパワハラ、セクハラ疑惑もはっきりさせるべき》

など、隠蔽体質があったのはジャニーズ事務所だけではなく、タニマチ文化が根付いている業界の「闇」を指摘する書き込みで溢れています。

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宝塚、歌舞伎、相撲…事なかれ主義が蔓延

ジャニーズ事務所の性加害問題については、過去に週刊誌などで報じられてきたものの、同事務所は強気な姿勢を崩さなかったため、ここまで問題が大きくなりました。

急速なジャニーズ離れが叫ばれる中、同じように「宝塚歌劇団」や「歌舞伎」、「大相撲」といった知名度は高いものの、実質は「タニマチ」や「パトロン」といったコアなファン層に支えられている、ごく狭い世界の中での業界の闇はどういったものがあるのでしょうか。

相撲界では「かわいがり」という相撲用語(隠語)があり、躾や心身鍛錬のために厳しい稽古で鍛えることを意味していますが、実質は「かわいがり」の名を借りた暴力であり、2007年には過度のかわいがりにより力士が死亡した事件(新弟子リンチ死事件とも呼ばれている)もありました。

また、2023年5月には歌舞伎俳優の市川猿之助さんによるセクハラ・パワハラ疑惑が週刊誌に報道されましたが、そもそも歌舞伎界は家柄の格付けランクはもちろん、はっきりとした年功序列や男尊女卑など古い因習が残るなど時代錯誤もいいところ。

件のセクハラ・パワハラ疑惑については、その後に両親に対する自殺幇助の罪で起訴されたことから真相はうやむやになったままです。

しかし、現在の歌舞伎界を支える役者らは親世代の不倫や隠し子など破天荒な行いを見てきて、それが問題視されることもなければ、特段に珍しいことでもないという認識のもとで成長しており、それらは一般社会の感覚と大きなずれがあり、時代錯誤な不祥事に対しても甘く見ているところが。

宝塚音楽学校では、その上下関係の厳しさはあまりにも有名で「先輩が利用する(している可能性がある)阪急電車へのあいさつ」、「先輩への返事は『はい』か『いいえ』などの言葉の限定」など、舞台人としての育成に真に必要なものなのか到底納得できない不文律の伝統がありました。

3年前に廃止に踏み切ったものの、内外から伝統を肯定し続行を希望する声も根強かったのだそう。

9月30日には、宝塚歌劇団に所属する25歳の女性が自宅マンション敷地内で転落死し、警察は女性が自殺を図った可能性があるとして捜査していますが、宝塚歌劇団は今まで定期的に週刊誌に報道されるいじめ疑惑について徹底抗議。

「宝塚にいじめはない」という強固な姿勢を貫いているものの、2008年度の宝塚96期生は、全員が一人の女性をターゲットにし半年以上にわたり無視や私物をゴミ箱に捨てる、罵詈雑言を浴びせるなど物理的・精神的にダメージを負わせました。

そして、その生徒に万引きの罪を着せその生徒は退学処分に。

生徒はその処分を不服とし、宝塚音楽学校に地位確認を求める仮処分を神戸地方裁判所に申し立てます。

裁判では生徒側の言い分が通るも、学校側は2度目の退学処分を下し抗告したところ、そこでも元生徒の復学を認める仮処分が確定。

学校側は2度も裁判所が下した決定を無視するという社会規範からの逸脱行為を続行しました。

裁判所はそれに対し「宝塚音楽学校に教育的配慮が欠けている」(大阪高裁)、「宝塚音楽学校は退学処分を正当化するために責任転嫁を行っている」(神戸地裁)とし、最終的には原告の主張がほぼ認定されて受理され、事実上、被告である宝塚音楽学校の「完全敗訴」が確定したという過去があります。

そのような事実を教訓とせず、再び陰惨な事件が起き、ようやく弁護士による調査チームを発足させるなど対応が後手後手に回るだけでなく、何よりも尊重される人命よりも伝統などを重んじるその事なかれ主義はなんとも後味の悪いもの。

今までうやむやに闇に葬ってきたものが、ここにきて一気に噴出していますが、浄化される日は来るのでしょうか。

(文:Quick Timez編集部)