文:Quick Timez 編集部

ジャニー喜多川氏の性加害をめぐり、特別チームが調査報告書を発表。ジュリー社長に「辞任」求める

ジャニーズ事務所
画像:時事

ジャニーズ事務所の前社長、故ジャニー喜多川氏による性加害問題をめぐり、一連の問題を調査してきた外部専門家による「再発防止特別チーム」が29日、調査報告書を発表。

そこで、ジャニー氏は1950年代から2010年代半ばまでの間に、多数のジャニーズJr.に性加害を繰り返していたと事実認定されました。

事務所に対しては、被害者への謝罪と救済、藤島ジュリー景子社長への辞任を求めています。

スポンサーリンク

「1950年代から…」「被害者は数百人…」元Jr.らの証言から明らかに

故ジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐって、ジャニーズ事務所の「外部専門家による再発防止特別チーム」が29日に調査報告書を発表。

同調査は5月26日から8月29日まで行われ、被害者および事務所関係者など41人のヒアリングをしたほか、関係資料を精査するなどしました。

その結果、1950年代から2010年代半ばまで、長期間にわたって性加害が繰り返されていたことを認定。

報告書に引用された元Jr.らのヒアリング内容からは、デビューを夢見る少年たちが絶対的な権力を握るジャニー氏に行為を強要され、沈黙せざるを得なくなっていった様子が浮かび上がります…。

古くはジャニー氏が20歳頃、事務所設立前の1950年代からこのような問題があったとし、2010年代半ばまでの間にほぼまんべんなく存在していたことを認めています。

その間の被害者数は、少なく見積もっても数百人がいるという複数の証言が得られたようです。

被害者は特定の少数のJr.でなく、広範囲に性加害を行っていたといいます。

一晩で合宿所や同じホテルの部屋に宿泊している複数のジャニーズJr.に性加害を行うこともあったそう…。

報告書は、被害者が沈黙せざるを得なくなっていった背景をこう指摘。

「一連の性加害は、タレントのプロデュースに絶対的な権力を持っていたジャニー氏が、デビューして有名になりたい(逆に、ジャニー氏の性加害を拒めば冷遇される)という各被害者の心情に付け込んで行った」

実際に被害者もヒアリングに、ジャニーズJr.の間では「性加害を受けた方が優遇され、拒めば冷遇されるという認識が広がっていた」と証言したといいます。

「他のジャニーズJr.に性加害のことを話そうとしたところ、『おめでとう』と言われた」

「性加害を受けた後、仕事は明らかに増えた」

「『上り詰めていくには積極的にジャニー氏を受け入れないといけないんだ』という洗脳された状態になった」

性加害の際、ジャニー氏自身から「YOUは選ばれたから、ここにいる」と言われたとの証言もありました。

また、ジャニー氏が被害者に与えた心の傷の深さも具体的につづられています。

「度重なる幻聴やフラッシュバックで、自殺願望も抱くようになりました」

「毎晩寝るために電気を消すと、足先や、ふくらはぎ、太ももなどをジャニー氏に触られる感触が蘇り、足をこすらないと眠れなくなってしまいました」

中には、「うつ病になった」と語る被害者もいたとか…。

さらに調査の過程では、ジャニー氏以外にも、ジャニーズ事務所の社員による性加害があることが確認されたともいいます。

スポンサーリンク

ジャニーズ性加害問題、これまでの経緯

4月12日、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが日本外国特派員協会で会見し、ジャニー喜多川氏から性被害を受けたと実名・顔出しで告白。

以降、沈黙を続けていたメディアがジャニー氏の性加害問題を報じる起点となり、元ジャニーズJr.らも次々と被害を訴え始めました。

この事態に、藤島ジュリー景子社長が動画にて公式見解を発表。

「創業者ジャニー喜多川の性加害問題について世の中を大きくお騒がせしておりますこと心よりお詫び申し上げます」と謝罪し、「知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした」と発言。

これに対して、「全く知らないわけはないだろう…」と世間から非難殺到。

続けて、「週刊文春から取材のあった1999年の時点で、私は取締役という立場ではありましたが、長らくジャニーズ事務所は、タレントのプロデュースをジャニー喜多川、会社運営の全権をメリー喜多川が担い、この二人だけであらゆることを決定していました」「本件を含め、会社運営に関わるような重要な情報は、二人以外には知ることの出来ない状態が恒常化していました」と伝えました。

ジャニーズ事務所ではジャニー氏の性被害を訴える声が相次いでいることを受け、再発防止策の策定などのため法律や性被害に詳しい外部の専門家による特別チームを設置し、元所属タレントなどへの聞き取り調査を開始。

そして今回、特別チームが調査した結果を公表。

「暴露本や1999年の週刊文春特集で疑惑を認識していたと認められる」と、ジュリー社長や事務所関係者もその事実を把握していたと判断。

「組織として性加害が事実と認め、被害者に謝罪し、救済に乗り出すべき」だと要求したうえで、同族経営の弊害防止と解体的出直しのため、「経営トップを交代する必要がある」と特別チームは強調しました。

(文:Quick Timez 編集部)