画像:時事通信フォト
歌手・きゃりーぱみゅぱみゅさんが11日、自身のTwitterを更新。
2枚の画像と共に、検察庁法改正案に対してTwitter上で抗議をする「#検察庁法改正案に抗議します」を巡り炎上していた件で、謝罪をしました。
きゃりーさんの炎上とは一体どのようなものだったのでしょうか。
きゃりーぱみゅぱみゅ「#検察庁法改正案に抗議します」 相関図付きのツイートが物議
10日、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんが、自身のTwitterを更新。
Twitter上で話題となっているハッシュタグ「#検察庁法改正案に抗議します」 をつけ、相関図を添付してツイートしました。
検察庁法改正案とは、検察官の定年を段階的に65歳に引き上げ、内閣が認めれば「定年延長」を最長で3年まで可能にするという改正案。
これを受け、Twitter上ではこの法案に抗議をする「#検察庁法改正案に抗議します」が作られ、一般の方から著名人まで数百万という呟きがされたそう。
抗議する理由としては、以下のようなものが挙げられます。
- 新型コロナウイルスに関する質疑を優先させるべき
- 三権分立が脅かされる
- 黒川検事長の定年延長がこの法律により、決定される
多くの方が抗議している理由としてあげられるのが、1であると思います。
本来であれば、こうした改革が行われる場合において、議論に多くの時間を要しますが、新型コロナウイルスの感染拡大が広がる日本において、「検察庁法改正案」の審議を優先するのはおかしいという主張です。
「今急いで決める必要があるのか?」「コロナ対策の方が優先順位高いだろ」といった意見も多く、そうした理由から抗議がされているのです。
また、一部では2、3のように誤った情報が拡散されたために、それに抗議をする人がいるのも事実。
きゃりーさんもその1人で、10日に更新した自身のTwitterでは例のハッシュタグと共に、相関図を添付。
しかし、この相関図では「三権分立が脅かされる」や、「黒川検事長の定年延長が決定する」という情報が掲載されておりました。
三権分立の三権とは「行政」、「司法」、「立法」を意味し、検察庁は行政府に属すため、内閣と同じ行政権の1つです。
検察庁は、政治家すらも刑事訴追する権限を持っている組織であるため、独立性がどこよりも保たれていなければならない他、黒川検事長の定年延長についても、すでに閣議決定がされていますので、この法律によって決定されることは、まずあり得ません。
そうであるにも関わらず、きゃりーさんはこうした「誤った情報」が掲載されている相関図を添付してしまい、結果的には炎上。
「影響力のある有名人なのだから、情報発信する際には、しっかりと精査してから行いましょう」と、フォロワー数500万人超えを誇るきゃりーさんへの指摘も相次ぎました。
きゃりーぱみゅぱみゅ、問題のツイートを削除…「ファン同士の意見が割れてしまい…」
誤った情報が掲載されている相関図を添付し、炎上してしまったきゃりーぱみゅぱみゅさん。
投稿した翌日である11日、問題のツイートを削除し、自身のTwitterで削除した経緯を説明し、謝罪をしました。
— きゃりーぱみゅぱみゅ (@pamyurin) 2020年5月11日
きゃりーさんは相関図を投稿した経緯について、周りの信頼している友人がこの法案の話をしていたからとし、「自分たちの未来を守りたい」という強い思いから呟いたと釈明。
投稿削除の理由については「ファン同士で意見が割れて喧嘩が発生し、見ていて悲しくなったから」と、あくまでコメント欄での言い争いが原因であると強調。
「今後は発言に責任を持ってきます」とつづりましたが、炎上をファンのせいにしていることへ疑問の声も。
《政治ファッションモンスターだなこいつ》
《若い子が政治に興味を持つのはいいけど、誤った情報を発信したのにそれをファンのせいにするのはちょっと…》
《いや、なんで相関図アップしたか理由を説明しろよ》
《歌手でも抗議はしていいよ?でも、その相関図の情報間違ってんだろ!だから炎上してんの》
といった、厳しい意見が寄せられました。
きゃりーさんがどのような意図で、相関図を投稿したのか分かりませんが、影響力のある人間が「政治的な発言」をすのであれば、もう少し慎重になるべきです。
きゃりーぱみゅぱみゅが拡散した「相関図」は誰が作った?
そもそも、きゃりーぱみゅぱみゅさんが添付したという「相関図」は誰が作成したものなのでしょうか。
Twitterの情報によれば、作成したのは一般の30代のグラフィックデザイナーであるとのことで、「検察庁法改正案」に興味を持ってほしいという理由から作成したとのこと。
その上で、きゃりーさんも添付した相関図には「誤解を生む点」や「認識の甘さ」があったとし、「申し訳ございませんでした」と謝罪をしております。
この大変な時期にわざわざ優先すべきではない、という理由から抗議を続けている著名人の方もたくさんいる一方、事実を把握しないまま、ただ「流行っているから」という理由でイベント感覚で抗議に参加している人もいるのではないでしょうか。
どの情報が正しいのかはっきりと精査した上で、抗議や自分の主張をしていくべきでしょう。
(文:服部慎一)