画像:時事
16日に放送された「あさいち」(NHK総合)に、人気声優の梶裕貴さんが出演しました。
大ヒットアニメの声優を務め、代表作が数多くある梶さんですが、今でも役を射止めるためにオーディションを受け続けていることを明かし、視聴者らを驚かせました。
人気声優・梶裕貴、声優のオーディション事情を明かす
16日に放送された「あさいち」(NHK総合)。
人気声優の梶裕貴さんが出演しました。
梶さんは『進撃の巨人』(2013〜)のエレン・イェーガー役、『七つの大罪』(2014)のメリオダス役などで知られる人気声優。
数々の作品で主役を演じ、知名度も抜群な梶さんでも、いまだにオーディションを受けていることを明かしました。
この話を受けて、同番組MCの博多大吉さんが「もう(オーディションには)行かなくても(いいのでは)?」と、梶さんクラスの人気と知名度ではオファーがあるのではないかという意図も込め伝えると、梶さんは「山寺さん(声優の山寺宏一さん)もご自身で仰ってましたが、ご自身でオーディションを受けられていて」と、キャリアにかかわらずオーディションを経て選ばれる事を明かします。
山寺さんというと、61歳と大ベテランの声優で、アニメで複数の役を持つ他、洋画の吹き替えにも数多く携わるなど、その演技力は巧みです。
軽快な話術からラジオパーソナリティを務めるなど、タレントとしてもマルチに活動している山寺さんでさえ、オーディションで役を手に入れるという事実に、視聴者もスタジオにいる出演者らも驚きを隠せません。
梶さんによると1番〜5番手までの主要キャラクターはオーディションで決まる事が多いそう。
「一番最初は制作スタジオさんから、この台詞を読んで声を収録した素材を送ってくださいと。それが一次審査でふるいにかけられて、二次審査でスタジオに実際行って、演出をいただきながら、どう変えられるみたいなチェックがありつつ、さらには別のキャラクターとの掛け合いのお芝居を見たいからって言うので3次審査まであったりするんですけど」と、オーディションの過程を説明します。
「もちろん、その人だったりタイミングにもよるんですけどリアルにもう30タイトル受けて1つ受かればいい方っていう感覚ですね。もうダダ滑りです。落ちまくってます。もちろんご指名される事もありますけれども基本的にはオーディション。大先輩方も新人もそれは同じですね」と告白しました。
あまりにも厳しい声優業界の仕事の取得方法に、ネットには
《なんと厳しい》
《改めて厳しい世界なんだね》
《指名で絵にあわせて確認程度かと思った》
《梶裕貴さんのキャリアでもオーディション落ちまくる世界》
《それでも役取れる梶裕貴さんすげー》
など、驚きの声が続々と書き込まれました。
梶裕貴、『進撃の巨人』エレン役は叫び過ぎで「しんどかった」
梶さんが語った声優業界の厳しさは役を射止める前段階に限りません。
自身の代表作でもある『進撃の巨人』のエレン役は、感情をむき出しに叫び声を上げるシーンも多く、そんなエレン役について「喉のケアはどうしているのか」と尋ねられます。
梶さんは「エレンは作品の中で10歳から19歳までの時間が流れているんですけど、15歳から19歳という変化が今、放送されているファイナルシーズンではその変化があったんですけど、物語の序盤は結構、本当に熱くワァーって叫んで自分で突っ込んで戦うみたいな瞬間が多くて、だけど今は一歩引いて達観した台詞が多くなったんで叫ばなくなったなと思っていたんですけど」と、劇中でのエレンの変化について言及。
「序盤の頃は収録の度に本当に使い物にならないぐらいになってしまってたので、あらかじめアフレコが終わるタイミングで病院を予約してました」として、万全の体制を引いていたことを振り返ります。
「何かあったら駆け込む。もし問題がなくても一応診ていただいて安心するために壊す壊さない関係なく最初から病院を予約しとくようにしてましたね」と、エレン役が、その他の仕事に支障をきたさないよう細心の注意を払っていたようです。
もちろん「自分で部屋の湿度を高めるとかそういう事はできるんですけど、壊してしまったものを瞬時によくする事はできないので、病院に行って適切な処置をしていただいて次の現場に行くっていう事があった」と、自身のケアだけでは追いつかないほどのハードな役柄だったことを振り返り、当時を振り返り「その時はしんどかったですね」と回顧。
「実際に(病院に)行った事もあるんですか?」とさらに質問すると、梶さんは「行ってました。その時にできる最大限のケアを」と明かし、商売道具でもある「喉」のケアには念には念を入れていたことが伺えました。
「小中学生のなりたい職業」(調査元:2021年ニフティ)の3位にランクインするほど人気の「声優」というお仕事。
プロの声優として活躍するためには、どんなにキャリアがあろうともオーディションを受ける、受けたところで30タイトル受けて1つ受かればいいという現実は実にシビアで、日々の弛まぬ努力が必要なのですね。
(文:Quick Timez編集部)