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二つ目落語家だった元・三遊亭天歌さんが元師匠の4代目三遊亭圓歌を告発し、訴訟準備段階であることが明らかとなりました。
現在は破門となり落語家としての活動は休止中のようですが、所属する落語協会に対してハラスメント対策の設置を呼びかけている姿を追ってみます。
「通行人の前でビンタ」師匠から受けたパワハラを弟子が告発
二つ目落語家だった元・三遊亭天歌さんが元師匠の4代目三遊亭圓歌を告発し、訴訟準備段階であることが明らかとなりました。
上述のニュースを報じたのはニュースサイト「FRIDAY DIGITAL」で、天歌さん自身のツイッターやYouTubeでも同じ内容の情報を発信しています。
2022年10月に掲載された同サイトの記事を読むと、天歌さんは憧れの師匠に弟子入りするため親を説得し27歳で入門。
掃除や身の回りの世話をしていく中で、「よくわからない理由で突然キレられて殴られたり、坊主にさせられる」など暴言や暴力はすぐに始まったと言います。
大声での恫喝も続き「破門」をチラつかせるなど、同業者や時には客からも同情を寄せられることも多かったとか。
当初は視野が狭かったものの、時を経て公衆の面前で暴力を振るわれ、一般人が警察に通報したことで師匠からの暴力は「犯罪」であることを認識。
袂を分かつ覚悟ができたといいます。
「破門」という、落語家にとり最後通告とも取れる言葉を言われ続け、何度も絶望感を味わったものの、被害者である天歌さんへの我慢を強要する落語業界に対しても、天歌さんは争う姿勢を見せています。
実名告発…その行方は?落語家らしいオチとは別の解決法が待たれる
天歌さんのYouTubeチャンネル、ツイッターを覗くと、そこには今年1月までのせていた自作落語ネタはすでになく、私情を捨てテキストで今回の問題をありとあらゆる視点から論じています。
師弟関係が正式に終了したことのほか、パワハラ問題の着地点について述べたり、落語協会へ訴えたあとの説明会についての感想など、10月以降16本もの動画をアップ。
落語協会は「他の師匠と弟子の関係についてコメントを出すことはない」と明言を避けていますが、論点はそこではなくパワハラに対する協会としてのあり方を問うているのがいまいち伝わっていないようで一方通行を感じさせられます。
コンプライアンスの厳しい世の中ということもあり、いまやセクハラやパワハラ関連のニュースは多く、それが原因で更迭、降格処分は珍しくなくなってきました。
2022年4月に全面施行されたパワハラ防止法は、伝統芸能においても例外ではありません。
華やかで明るい落語の世界で繰り広げられていた悲惨な光景に、ネットでは応援の声が続々と寄せられています。
天歌さんは落語家として生きていくという目標を捨てておらず、今回の告発は長い道程の一つに過ぎません。
告発の行方がどういうものであろうとも、事実を受け止め、落語協会に残ることができるのか、今までの経緯をもってしても天歌さんを引き受けてくれる新しい師匠は現れるのか。
その時、元師匠だった圓歌さんが理事を務め大きな影響力を持つ落語協会に天歌さんの居場所は残っているのでしょうか。
(文:Quick Timez編集部)