画像:時事
大阪医科大学の元アルバイト職員が賞与(ボーナス)の支払いを求めて訴訟を起こした問題で、最高裁は、ボーナスの請求を棄却し、「不合理な待遇格差」には該当しないと判断をしました。
この問題をめぐって、ネット上では様々な意見が寄せられております。
アルバイト職員への賞与なし、最高裁の判決をめぐり賛否の声
大阪医科大学の元アルバイト職員の女性が賞与(ボーナス)の支払いを求めて訴訟を起こした問題で、最高裁は13日、ボーナスの請求を棄却し、「不合理な待遇格差」には該当しないと判断をしました。
同職員をめぐっては、2016年より同大で電話対応やお茶出し、スケジュール管理など多岐にわたって仕事をしており、ボーナスの支払いを求めて大学の運営側を提訴。
一審では、女性側の請求を退けたものの、二審では「不合理」だと認定しており、上告審となる最高裁での判決に注目が集まっていました。
しかし、判決はアルバイト職員への賞与を認めないという結果に。
これれにはネット上からも、
《同一労働同一賃金の原則はどこへ行ったのだ?》
《これは完全に不当判決でしょ》
《賞与を認めないのなら、まずアルバイト職員に正社員と同等の仕事をさせるべきでは無い》
といった、不当判決ではないかとする意見がある一方で、
《バイトに賞与が出るなら、自分だって責任のないバイトの方がいいですよ》
《たとえフルタイムだろうが、責任のないアルバイトにまで賞与の支払いを義務化したら、大変》
《アルバイト職員にボーナスを認めたら、色々と問題が出るだろう。 所詮、アルバイトは責任能力が無い》
と、アルバイトに賞与を認める側に慎重な意見も寄せられており、賛否両論が巻き起こっています。
最高裁の判決により、「同一労働同一賃金」制度にも影響が
アルバイト職員への賞与を認めないという判決により、大きな波紋が広がっていますが、この問題を語る上で欠かせないのが「同一労働同一賃金」という制度です。
厚生労働省のホームページには、同制度について
「同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。」
という説明がされてあります。
つまり、アルバイトと正社員の待遇や賃金格差を無くそうという考え方なのです。
詳しくは、「パートタイム・有期雇用労働法」という法律によって定められており、大企業では2020年4月1日から、中小企業では2021年4月1日より施行がされます。
多様な働き方を自由に選択できるようにする同制度でありますが、アルバイトの賞与を認めないという判決により、ネット上からは
《同一労働同一賃金が骨抜きになりましたね》
《賞与の判決の件、厚労省が出している同一労働同一賃金ガイドラインには意味がないのかという話になる》
《この判決って、同一労働同一賃金と矛盾してない?》
などの意見も。
一方で、アルバイトと正社員では「同一労働」ではないという意見も散見されます。
今回の判決によって、「同一労働同一賃金」の制度に少なからず影響が出ることでしょう。
(文:服部慎一)