文:服部慎一

大相撲現役力士・勝武士さんの死去をめぐり、『グッディ!』が『たらい回し』と表現…「悪意ありすぎ」と炎上

(※画像はイメージです)

13日、高田川部屋の三段目の勝武士(しょうぶし)こと、本名・末武清孝さんが、新型コロナウイルス感染による多臓器不全によって、亡くなったいたことが明らかとなりました。

これを受け、ワイドショー番組「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系列)も速報として、取りあげたのですが、そこでの「たらい回し」という表現に波紋が広がっています。

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大相撲現役力士・勝武士さん、新型コロナウイルスにより死去

13日、日本相撲協会は、西三段目82枚目の勝武士(しょうぶし)こと、本名・末武清孝さんが、新型コロナウイルス感染による多臓器不全により、同日午前0時30分に亡くなったことを発表。

享年28歳でした。

勝武士さんは山梨県甲斐市出身で、高田川部屋に所属し、 「突き押し」を得意としていた力士です。

165cmと力士の中では小柄ながらも、鋭い立ち合いと粘り強い相撲を武器に、活躍していたことでも知られています。

そんな勝武士さんですが、「初っ切り」と呼ばれる相撲の禁じ手を面白おかしく紹介する見せ物の名手として知られる力士。

勝武士さんは、4月4日と5日、38度台の発熱が確認されたため、複数の病院に依頼をしましたが、受け付けてもらず、やっと8日に入院をするも9日に容体が悪化。

10日PCR検査で陽性反応が出たのですが、19日に容体が急変し、集中治療室へ。

懸命な治療が続けられておりましたが、完治には至りませんでした。

 

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勝武士さん、死因は何?過去には糖尿病を患っていた

新型コロナウイルスによって、亡くなってしまった勝武士さん。

死因は、コロナウイルス性肺炎による多臓器不全とのことでした。

基礎疾患があると症状が悪化しやすいと言われる、新型コロナウイルス。

勝武士さんは、2016年に行われた取組で、土俵下の控えで全身が紅潮して手が震えてしまい、取組直前で、「不戦敗」となる事件を引き起こしています。

この原因となったのが、糖尿病。

取組前に、エナジードリンクとチョコを摂取したそうですが、薬は飲んでいなかったために、糖尿病の症状が出たとのこと。

「プロなんだから、体を気遣って、野菜を摂取しなければだめ」と、高田川親方から諭されたといい、角界では異例の朝稽古前の朝食の摂取が認められたほどです。

この糖尿病を患っていたという基礎疾患が関係し、症状は回復しなかったと言われています。

 

大相撲現役力士・勝武士さんの死去をめぐり「たらい回し」と表現し…炎上

現役プロスポーツ選手が、コロナによって死亡したことを受け、早速メディアでも「速報」として伝えました。

ワイドショー番組「直撃LIVE グッディ!」(フジテレビ系列)も同様で、勝武士さんの話題を取りあげておりましたが、そこでの扱い方に批判の声が。

同番組では、発熱から4日間も病院に受付けてもらえなかったことを引き合いに出し「病院たらい回しか 感染の28歳の力士死去」との見出しで放送。

しかし、これにはネット上で、

《メディアで医療関係者に感謝とか毎日言ってるくせに、病院たらい回しって表現おかしくないか》

《受け入れ先が見つからずならまだしも…たらい回しかは悪意ありすぎ》

《医療機関も大変な状況なのに、たらい回しって言い方どうなんだろう》

《病院のせいにすんなよ!受け入れたくても、出来ない状況だったかもしれないじゃん》

などの批判が相次ぐ形に。

元々「たらい回し」という表現は、マスコミから派生した言葉で、本来は「受け入れ困難」や、「受け入れ不能」という表現が用いられていました。

しかし、よりセンセーショナルでキャッチーな表現を好むマスコミによって、「たらい回し」となったのだそうで、受け入れ困難な理由を報じるケースは多くはありません。

今は、「たらい回し」という表現を用いることよりも、医療従事者への感謝を念頭に置いた報道にすべきだったでしょう。

心から、ご冥福をお祈りいたします。

(文:服部慎一)