文:服部慎一

片桐清二機長の現在は?日本航空羽田沖墜落事故のフライト前日の異常行動も

日航機羽田沖墜落事故
画像:時事

1982年に発生した日本航空羽田沖墜落事故。

福岡空港発・東京国際空港行という便でしたが、乗員・乗客174人中の24人が死亡し、149人が負傷するという大惨事に見舞われました。

機長は片桐清二さんという方ですが、現在はどのような生活を送っているのでしょうか。

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日本航空羽田沖墜落事故の概要と事故原因

1982年2月9日、日本航空の350便が福岡空港から羽田空港へと離陸し午前8時44分に羽田沖に墜落をしました。

乗員・乗客174人中の24人が死亡し、95人重傷を負うなど大惨事に見舞われたこの事故。

事故の原因は、着陸直前に機長が逆噴射装置を作動させたことによる急降下が原因と言われており、機体は事故により大破しています。

事故当初、機体の不良や整備トラブルななどが原因の不慮の事故だと言われていましたが、事故後の調査で実際には人身事故で、機長の精神的な疾患やトラブルによるものだと判明。

事故後に生存をしていた機長ですが、精神鑑定の結果、責任能力が認めらなかったため不起訴処分となっています。

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日本航空羽田沖墜落事故、片桐清二機長の精神疾患とは?フライト前日の異常行動も

日本航空羽田沖墜落事故ですが、片桐清二さんという方が機長を務めていました。

この片桐清二機長ですが、精神疾患を患っていたそうで下記のような症状があったのだとか。

  • 結婚した妻と2人きりで車に乗車をしている際、突拍子もなく「母親がいる」と意味不明な発言
  • 「家に盗聴器が仕掛けられている」とありもしない相談を警察に対して行う
  • 家族に「自分は皇族だ」と訳のわからない発言
  • 「宇宙から電波が届いて飛行機を操縦している。」とパイロットらしからぬ発言
  • 愛犬の散歩中、見ず知らずの人に愛犬をプレゼント
  • 操縦席で突然笑いだし、副操縦士や航空機関士を困惑させる

また、こうした精神的疾患は事故の前日にも前兆があったそう。

事故前日のフライトで「滑走路に進入して待機せよ」という指令が来ますが、これを無視した片桐機長は「管制許可はきている」と発言。

これにより無理やり離陸に向かうも副操縦士がなんとか阻止をことなきを得ますが、これに対し謝罪などはなく「お見事」といった言葉を残したそうです。

前日のブリーフィングでも微熱があり吐き気もあった片桐機長、ぼんやりとした様子でうつろな目をしていました。

事故当日も、いきなりの逆噴射という行為を行なっていますがこれが精神疾患が原因と言われており、逆噴射装置をする機長に向かい副操縦士は「機長(キャプテン)やめて下さい!」と大きな声をあげています。

この様子はフライトレーコーダーにも記録されており、音声も残っています。

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片桐清二機長のプロフィール

名前:片桐 清二(かたぎり せいじ)

出身:大分県 別府市

所属:日本航空

片桐清二、元日本航空のパイロット。大分県立別府鶴見丘高校を卒業後、岡山理科大学理学部数学科に進学するも中退。

その後、航空大学校に入学を1969年(昭和44年)10月1日に日本航空に入社した。

総飛行時間は5,698時間だったといい、パイロット試験合格後には結婚をしている。

片桐清二機長の現在は?結婚した妻や家族についても

片桐清二機長ですが、現在はどのような暮らしをしているのでしょうか。

パイロットに合格をした際に結婚をしており、その間には娘さんが誕生をしています。

妻は実家が医者をやっていたこともあり、相当裕福な家庭で育ったそうで、元CAなのだとか。

また、片桐清二機長の姉は千鶴子といい、1983年に著書「幻の滑走路―弟清二と羽田沖墜落事故」(中央公論社)を発売。

同書の中で、「もっと早く弟の精神異常に対応していれば」と悔やむ胸中もつづられています。

現在、片桐機長は日本航空から退職をしたのちに神奈川・葉山にある自宅で療養生活をしているとのこと。

2002年には写真週刊誌によって現在の様子が報じられており、その際には自動車免許の再取得をしていることなどが報じられていました。

現在は70歳前後になる片桐機長ですが日本航空からの退職金に年金、精神障害者保健福祉の給付などにより生活をしている考えられます。

機長の精神疾患が原因で24人もの命を奪ってしまった日本航空350便墜落事故。

パイロットや副操縦士の働く環境もしっかりサポートすることが、再発防止につながるのかもしれません。

(文:服部慎一)