※画像はYouTube提供
先週、ドレッドヘアという特徴的な髪型をしていることがきっかけとなり職務質問を受けたという動画が大きな波紋を広げました。
当編集部では、職務質問を受けたというAさんに取材をし、お話を伺ってまいりました。
ドレッドヘアが原因で職務質問を受けた男性
先日、ハーフの男性が警察から職務質問を受けるという動画がSNSやYouTubeを中心に話題となりました。
内容は、ドレッドヘアをしているハーフの男性が、日本の警察官から職務質問を受けるというもので、およそ1分半にもおよぶ動画が公開されています。
やり取りなど、詳しくはこちらの動画をご覧ください。
▼見た目の固定観念で職質し、持ち物検査をする日本の警察
職務質問をした警察官の方は、「私があと思ったのは経験上ですよ、私の経験則として別にドレッドヘアーが悪いわけではない、悪いわけではないですけど、ドレッドヘアー、おしゃれな方で結構薬物を持っている方が私の経験上今まで多かった、そういうことです」と切り出し、あくまで経験則に基づいていることを主張。
差別的な背景がなかったにしろ、この動画は物議を醸しました。
職務質問を受けた男性「様々な文化を共感してほしい」
当編集部では、職務質問を受けたという男性(Aさん)に直接取材をし、お話を伺って参りました。
Quick Timez編集部:簡単な自己紹介をお願い致します。
Aさん:母は日本、父はバハマのハーフです。自分は産まれも育ちも日本ですが小中はインターナショナルスクールと日本の学校を交互に通ってました。
日本の学校ではそこにいた外人(ハーフ)は自分しかいなかったのでイジメもたまにありました。ですけど日本にも友人は多くいます。現在は25歳で、保育園で英会話を教えてます。
Quick Timez編集部:ドレッドヘアはいつ頃からやられているのでしょうか?
Aさん:ドレッドをしはじめたのは5年前ですが、今の長さになったのは一昨年ぐらいです。
ドレッドは私の父の国(バハマ)やカリブの伝統的なヘアスタイルです。なので自分も始めようと考えました。
Quick Timez編集部:職務質問をされた経緯を詳しくお教えいただけますでしょうか?
Aさん:仕事帰りに東京駅で乗り換えをしようとした時に起きました。当時、自分は色々と周りで結構深刻なことが起きていたのでそちらに頭が回ってて、あまり周りに注意を払えず、警官達が自分を見ていたのに全く気づいていませんでした。
ですので、自分の前に現れ時は正直ビックリして動揺しました。
警察官は2人いて、どちらも自分が見慣れてる警官の服装ではなかったので最初誰なのか分かりませんでした。
そこから彼らはそのまま「すみませんが職務質問にご協力していただけないか」と聞いてきて、自分は「いや急いでいるので結構です」と答えると、あちらは先程の自分の動揺とこの反応が怪しいっと思ったらしく、粘ってもっと強い口調で質問を続けました。
合計30分も止められ、そろそろ自分が駅のど真ん中いることで目立ってしまって、周りの日本人の方に見られるのも嫌だという気持ちあったので、ある質問を1人の警官にしました。
「自分はよく止められるんです。どうしてですか?」そこで後はあの動画の通りです。
その言葉を聞いた時は一瞬カッとなりかけましたけど、落ち着いて会話を続けました。
最終的には警察の方が「じゃあ、お兄さんがそんなに言うならもう諦めますよ」と言いましたが、
その言い方に自分はなぜか激怒してしまい「だったらいいですよ、どうぞ見てください」と言うと、その警察の方は一瞬微笑みを浮かばせながら「いいんですか?wwwありがとう。すみません」と言い、カバンと自分の体をチェックしました。
結局何も見つからず、「ご協力ありがとうございます」と言ってそのまま立ち去ろうとした所を自分は止めました。
それで「ね?あなた方が言うように、ドレッドしてる人すべてが持ってないんだよ?自分はこんな扱いをよくされますが、それでも日本の警察は立派で尊敬してるんです。これからも皆さんの安全の為に頑張ってください。でもこういう事は本当にやめてください。職質されて誰もただただ大丈夫ですって言うからって、それは本当の気持ちじゃないかもしれないんだよ」とお時間を取らせた事を自分は謝罪し、彼らの手に握手して帰りました。帰りの電車はずっと気分は良くなかったですが…。
Quick Timez編集部:過去にもドレッドヘアが原因で、同じような被害に遭われたことや苦労をしたことはございますでしょうか?
Aさん:狛江(東京都狛江市)でバス待ってる時に一回、浅草の雷門で友人と待ち合わせしてた時にされました。どちらもただ携帯をいじってただけです。
Quick Timez編集部:日本ではドレッドヘアのみならず、見た目に関するの差別や偏見が少なからずあるかと思いますが、根絶するためには何が必要だとお考えでしょうか?
Aさん:社会は転々とグローバルな社会になってきてます。日本という国も、外人がより多く在住するようになっています。
もう一つの文化と言わず、より多くの文化を知って理解し、共感できるようにするべきだと思います。
昔でしたら、まだ外人が少なかったので、外人が日本に来たらこちらのしきたりを守るべきと言う考えもあったと思いますが、現在はどの国も完全ではないにしろ視野を広げて、よりそれぞれの国を外国の方に紹介、または彼らの文化も理解しそれに合わせる努力が必要です。
日本は、あまりにも外国の人が文化的な側面も含めて孤立しすぎてると思います。
自分達の周りで差別が起きていない、またはあまり見ないからといって、それが起きてないまたはされてないという意味ではありません。
今回の件で色々な日本の方のコメントを読みましたが、やはり自分へ激怒、迷惑、警察の仕事の邪魔をするなっというコメントが多かったので、今のこの国状況を改めて理解しました。
要するに、もっと様々な文化や人種差別などについて知り、そして何故そこまで外国の人またはその文化を受け止めてる人に対して、同じ態度取れるのかを自分に問い、そしてよりエンパシー(共感)をしてほしいです。
(文/取材:服部慎一)