1998年7月2日に発生した、富士銀行行員顧客殺人事件。
埼玉県宮代町内でマッサージ店を経営していた、福田次郎さんと妻の福田ツネさんを殺害したとして、岡藤輝光容疑者(当時)が逮捕されました。
岡藤輝光受刑者は無期懲役を言い渡されていますが、現在は結婚して子供などがいるのでしょうか。
また、出身大学や生い立ちについても迫ってみたいと思います。
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富士銀行行員顧客殺人事件の概要
1998年7月2日、埼玉県南埼玉郡宮代町の住宅で、マッサージ店を経営していた、福田次郎さんと妻の福田ツネさん夫妻が殺害されるという事件が発生しました。
2人を殺害したとして、事件発生から6日後の7月8日に岡藤輝光受刑者を逮捕。
裁判の結果、2000年に無期懲役が決定しました。
岡藤受刑者は、かつての都市銀行で現在はみずほフィナンシャルグループの傘下である「富士銀行」の社員で、福田夫妻は同銀行の10年来の顧客でありました。
福田夫妻との出会い
福田夫妻は東京都台東区に13坪の土地と家を所持していましたが、長男家族との同居をきっかけに埼玉県宮代町におよそ40坪の家を購入。
台東区の家をおよそ1億円で売却をし、その半分である5000万円を老後の資金として富士銀行に運用を任せていました。
岡藤受刑者が担当になる前の担当者は、福田夫妻が経営をするマッサージ店に足繁く通うなど信頼関係も厚かったようで、夫妻も懇意にしていたよう。
1996年4月、「富士銀行春日部支店」に岡藤受刑者が赴任をすると、前任者から担当を引き継ぎ、5000万円の運用を任されます。
違法な融資:浮貸しを決行
一方、岡林受刑者は、1997年に埼玉県内にある融資基準を満たしていない運送会社から融資を依頼され、バブル崩壊後に〝貸し渋り〟をする富士銀行との間で板挟みという状態に。
ここで岡藤受刑者は「特別な定期預金がある」と福田夫妻を騙し、通帳と印鑑を譲り受け、引き出した5000万円を当該の運送会社に貸し付けます。
これは〝浮貸し〟と呼ばれ、出資法第3条で禁止されているれっきとした犯罪行為。
浮貸しとは、顧客の金を別の客に融資をするという方法で、 融資を受けられない顧客の流出を引き止めるだけでなく、手数料を懐に入れらるというメリットがある一方、行為が発覚した場合、一発で懲戒解雇になる恐れもある犯罪行為です。
返済が滞り、殺害を決意
もちろん、浮貸しは犯罪行為でありますが、違法に融資をした会社がしっかりと返済をすれば顧客にバレることはありませんので、うまくいけば会社に発覚せずに行うことができます。
岡藤受刑者は福田夫妻の貯金を浮貸しする前、建築関係の会社に3000万円ほど浮貸しをし、成功したという前例を持っています。
そのため、今回の福田夫妻の浮貸しも問題なく進むと思っていた矢先、運用されている形跡がないことから福田夫妻は解約と返金を要求。
これに焦りを感じ、先に「1500万円を返却する」と約束をしたのです。
運送会社からは福田夫妻に返却をする前に2500万円を先に返済すると言われてため、こうした約束にこじつけたのですが、運送会社は返済ができずに逃亡。
さらに、本社融資部への異動が命じられた岡藤受刑者は、春日部支店での悪事(浮貸し)が発覚することを恐れ殺害を決意します。
福田夫妻を殺害した動機
「1500万円を返却する」と福田夫妻へ約束をしていた岡藤受刑者ですが、自身の名刺の裏に記した覚え書きであり、不審に思った妻の福田ツネさんは富士銀行へ問い合わせをします。
本来、本社への異動は栄転であるものの、ツネさんの問い合わせなども重なり岡藤受刑者にとっては都合の悪い展開に。
1998年7月2日、この日は岡藤受刑者が返済日に指定をした日だったものの、返済できないことを理由に2人を殺害。
放火で証拠を隠滅しようと試みるも失敗し、強盗に見せかけるために室内を荒らして逃走しました。
その後警察の調べにより逮捕された岡藤容疑者は犯行を自供。
裁判の結果、2000年に無期懲役が決定しています。
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岡藤輝光受刑者の生い立ち…出身高校や大学についても
1966年7月17日福岡県福岡市で誕生をした岡藤輝光受刑者、父親はトレーラーの運転手、母親は雑貨屋や酒屋を営んでいました。
弟と妹がいる3人兄弟の長男で、中学時代はバスケットボールに所属をし母親の経営する店をよく手伝っていたとのこと。
高校は、県内でも屈指の進学校でラグビーの強豪校として知られる福岡県立筑紫高等学校へと進学。
ラグビー部に所属をし部活動に打ち込むと、スポーツ推薦によって地元の福岡大学へと進学をします。
フロントロー(プロップやフッカーなどが該当)と呼ばれるポジションで3年時ではレギュラーを獲得。
体格が大きい方が有利と言われる同ポジションでは小柄ながら、激しい運動量でカバーをし、チームに貢献をしていたとのことです。
その後、バブル期の大量採用によって1989年に「富士銀行」へと入社。
入社当初から融資部門を任され、東京の「竹の塚支店」や北九州の「門司支店」、「北九州支店」らを経て問題の「春日部支店」に配属されたのです。
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岡藤輝光受刑者の結婚した妻や子供について
岡藤輝光受刑者が春日部支店に配属されたのが1996年の4月ですが、そのおよそ2ヶ月前の1996年2月に、結婚をしています。
結婚相手の妻は、岡藤輝光受刑者と学生時代から交際をしていた方で、96年には長男、98年には次男が誕生しています。
奥さんは、福岡大学のラグビー部でマネージャー務めていた方で、3学年後輩の女性。
長男は現在、28歳前後、次男は26歳前後となっており、それぞれ自身の人生を歩んでいると思われます。
一方、妻とは事件後に離婚をしているといわれており、子供らの苗字も変わっているのかもしれません。
▼家族構成
- 岡藤輝光受刑者(当時:32歳)
- 妻:(ラグビー部の3学年後輩)
- 長男(当時:3歳)
- 次男(当時:1歳)
岡藤輝光受刑者の現在は?裁判の経過と結果
岡藤輝光受刑者は、無期懲役を言い渡されていますので、現在でも服役中となっています。
地裁での第一審で検察側は死刑を求刑したものの、裁判官らは「富士銀行が遺族に相当高額の金品を支払う調停が成立している」などの理由から無期懲役を言い渡します。
これに検察側が控訴をするものの、高裁での裁判でも無期懲役が言い渡され、検察側が上告をせずに無期懲役が確定します。
亡くなった福田夫妻の長男ですが、岡藤受刑者に対して「犯人に同じ恐怖を味わわせて殺してやりたい。どうしてまじめに一生懸命働いてきた両親が殺されなければならないのか」などと怒りのコメントを残しています。
また、バブル期の大量入社によって入社したことを受け、富士銀行側の人事についても怒りをあらわにしています。
顧客の金に手をつけ、挙句の果てに殺害までしてしまったという同事件。
詳しい内容は、13日放送の「ザ!世界仰天ニュース」(日本テレビ系列)でも特集されますので、ご覧になってみてはいかがでしょうか。
(文:服部慎一)