画像:時事
先週土曜日、大学入学共通テストの受験生を狙った刺傷事件について議論を交わした17日の「ABEMA Prime」(AbemaTV)。
すると、田中萌アナウンサーが自身と加害者生徒の類似点に言及するシーンがありました。
田中萌、共通テスト襲撃の『無敵の人』に理解「恐怖がすごかった」
17日、先週土曜日に大学入学共通テストの受験生を狙った刺傷事件を議論のテーマに取り上げた「ABEMA Prime」(AbemaTV)。
その放送中、田中萌アナウンサーが加害者生徒と自身を重ね合わせる一幕がありました。
大学入学共通テスト1日目を迎えた今月15日、東京大学の会場前で名古屋在住の高校生が3人を刃物で切り付け警官に取り押さえられた事件。
加害者生徒が通っていた学校は後日、コロナ禍で「個々の生徒が分断され孤立を深めた可能性がある」と発表したことも含めて「なぜ17歳で人生に絶望したのか」と出演者らが意見を交わしました。
その中で「17歳だからこそ絶望してしまったんだろうなと、事件を起こした人のことはわからないですけどなんとなく私はそう感じました」と切り出した田中アナ。
「今、30歳まで生きているとちょっとなんかあったとしても『まあまあこうやって解決していけばいいな』っていうのが段々とわかるようになってきたんですけど、10代特に高校生のころって私も地方の進学校みたいなところにいまして」と加害者生徒との類似点を挙げ「東大、東北大、国立医学部以外はその学校の生徒ではない」という教育環境に身を置いていたと説明。
さらに「その中で私は一浪してさらに私立大学に入ったので、その当時の私の絶望感というか『人生終わったな』という感じはすさまじくて」、「当時は洗脳じゃないんですけど、話す大人は高校の先生とか狭い世界なのでその先に色んな職業があって色んな選択肢があって色んな生き方があるっていうのがわからなかった」と狭い視野の中で生きていたとし、「そこから外れそうになった時の恐怖がすごかったなというのが今でも思い出される」と述べました。
加害者生徒と同じく進学校に在籍していたからこそ、加害者生徒の犯行動機が理解できるという田中アナ。
「だからこそ大人から見れば『東大よりもっと下を受ければいいじゃん』みたいなことを思うかもしれないんですけど、その人にとってはそれ以外人じゃないみたいなところまで追い詰められてることもあるのかなというをこの事件を聞いて思いました」と安易に犯行動機を決めつける声に理解を求めていました。
「辛さは想像以上」田中アナの見解に意見相次ぐ
加害生徒と同様の進学校出身だからこそ人生に絶望した理由が理解できるとした田中萌アナウンサー。
すると田中アナのコメントに進行の平石直之アナウンサーも「同じくプレッシャーを感じている人はたくさんいる」と肯定。
「一方で最近のデータでは第一志望にギリギリで入った、最後尾で入った人よりも第二志望以下にトップクラスで入った方が自己肯定感は高いというデータもあって、そういうのをキチンと打ち込んでおかないと『ダメだったそういう道もあるよね』、『東大じゃなくても大学はいっぱいあるでしょ』、『医者じゃなくても道はいっぱいあるでしょ』というくらいにしないと」と視野の広い学校教育を訴えました。
これには番組を観ていた視聴者も反応。
《田中萌さんが言うように当事者が抱えている辛さは想像以上だと思う》
《学校の中しか知らない人が教師やってんだからな…そこから改善するべき》
《私も一浪して底辺学校入ったけど、高校の環境のせいでそれで正しかったのか聞かれると『ハイ』とはまだ言えない》
などと様々なコメントが。
加害生徒が犯行に及ぶ原因となった挫折は、世論が思う以上に根が深いものなのかもしれません。
(文:有馬翔平)