8月5日に有楽町よみうりホールで行われる、お笑いコンビ・三拍子の20周年を記念した単独ライブ「ラストチャンスと言わないで」。
当編集部では、20周年という節目の三拍子の2人に、単独ライブに関する思いなどを伺ってきました。
三拍子、20周年単独ライブの意気込みを明かす
ーーまずは、20周年おめでとうございます!!
お2人:ありがとうございます!!
ーーこの20年を振り返ってみて、早かったですか?それとも長かったですか?
高倉さん:今思えば、早かったなと思いますね。なんかまだ2年目くらいの気持ちで(笑)
久保さん:良いのか悪いのか(笑)
高倉さん:でも、本当に感覚はそんな感じで、なぜならやってることが変わらないからだと思うんですよ。
色んなライブ出たり、自分達で単独ライブをやったりの20年だったので、早かったなと。
これがもしテレビがメインになってたりしたら、あの頃懐かしいな~とかがあるかもしれないですけど、内容は違うにしろやってることはほとんど一緒なので、感覚的には早かったなと思いますね。
ーーなるほど。久保さんはいかがですか?
久保さん:そうですね、長いなぁ~っていう時期もありましたし、早いなぁ~っていう時期もありましたし。
今思うのは、20年もやったのかぁ~って事ですね。
大概20年もやってたら、もうちょいなにかあると思うんですけどね。
高倉さん:スケジュールを見てもそんなに変わらないかな。
久保さん:有り難いことですけどね。
高倉さん:元気にやれてることが有り難いよね(笑)。
ーー変わらずやり続けられるってすごい事ですもんね!20年の中で1番思い出に残ってることは?
高倉さん:僕は、「THE MANZAI2014」でファイナリストになった事ですかね。
敗者復活から上がって決勝の生放送に出た時が1番残ってますね。
決勝でネタやった時にめちゃくちゃウケるもんだから、「ここから売れてくんだぁー!」って思いながらネタやってました。
ーーネタの最中にですか!?
高倉さん:もう最中に思ってました。
「キテるー!優勝だー!」って。
自分も1番ノッて漫才できたし、ここから変わっていくんだっていう感覚があった1番の思い出ですね。
ーー高揚感とか緊張で頭が真っ白になるとかではなく、鮮明に覚えてるんですね!
高倉さん:鮮明に覚えてるし、アドレナリンが出てて、どっかんどっかんウケてる客席を感じながら次のネタが自然に出てくるみたいな相当ハイな状態でやってましたね。
後からオンエア見直したら、そうでもないなって感じもあったんですけど(笑)そんだけ自分は肌で感じてましたね。
ーー久保さんはいかがですか?
久保さん:僕もほとんど一緒なんですけど、高倉さんが離婚した時ですかね。
高倉さん:なんでだよ(笑)。
久保さん:20年の中で言ったら、高倉さんの結婚離婚なんてほんの3日間くらいの出来事だったからね。
高倉さん:まぁね、1年くらいしかしてないけど。
今は三拍子のお笑いのことだから。まぁ、元嫁も含めて三拍子…。
久保さん:結婚の報告のときも、結婚しようと思ってるじゃなくて、結婚するっていう事後報告だったんでね。
今は辞めた方がいいんじゃないかって言ってて、離婚するって報告を受けた時に、もうちょい続けた方がいいんじゃないかって言って。
あ、あんまり言う事聞いてくれないんだなってことはその時に気付きましたね。
高倉さん:でも、その時はネタとかフリートークの部分でその話をずっとしてましたね(笑)。
久保さん:家で家事も全部やってるとか、ちょこちょこそういうネタもあったから、もうちょい続けて欲しかったんですけどねぇー。
やっぱり人の不幸って蜜の味じゃないですか。
高倉さん:もうそのお笑いは早めに辞めたかったですよ(笑)。お笑いの話ですよ今は!
久保さん:いや、俺にとっては高倉さんの結婚離婚はお笑いですよ!
ーー(笑)。逆に辛かった思い出などはありますか?
高倉さん:お笑いやってて辛い事はほぼないですね。
ずっと楽しいし、自分のやりたいことができてて、単独ライブとかも自分のやりたい単独ライブがやれててそこにお客さんが来てくれて笑ってくれるっていう繰り返しなので。
ただふっと思うのが、もうちょっとお金稼ぎたいな、とか。後輩たち結構メディア出てるぞ、とか。この仕事なんで俺らイケないんだろう、とか。
それを感じた瞬間がめちゃくちゃ辛いですね、まぁ、寝れば治るんですけどね。
久保さん:じゃあ貴方に辛いことはないです。
ーー(笑)。気持ちがリセットできるのはすごいですね!久保さんはいかがですか?
久保さん:辛かったことですか…。そうですね、今一番、夏が辛いなと思いますね。暑い暑い。
高倉さん:お笑い芸人としてじゃないの?人間としての話?
久保さん:いや、人間としてよ。それはもう生き様なんだから。
もっと売れてたら車で連れてってくれたりするじゃない?車は冷たいよ~。俺なんか世間の風くらいだよ、冷たいのは。
高倉さん:凍ってしまうな。
久保さん:でもなんか、ここ5,6年ですかね。
嫌な事とか辛いことも喋れるようになったんで。
配信とか番組とか、スタッフさんとかに。
その出来事が起こった時だけ辛いですね。あとは喋っちゃえばいっか~って。
高倉さん:僕の離婚の話もそうですよ。笑いに変えて喋ってクリアにはなってましたね(笑)。
ーー「G-1グランプリ」では、「アーカイブ動画対決」で見事に優勝されていますが、率直に感想をお聞かせいただけますか?
高倉さん:本編で7位だったので、その時はもう「失敗したなぁ~。」って感じで。
違うネタをやれば良かったかなとか反省点もあったんですけど、そんなにずっと反省しててもしょうがないから、次のアーカイブ対決に気持ちを持って行って、どうしたらたくさんの人に見てもらえるかを考えて。
「1位獲ったら単独ライブやります」っていう公約も掲げて、一生懸命宣伝をさせていただきました。
ーー結構計画的にやられてたんですね!
高倉さん:そうですね、計画的犯行でした。
本編も1位獲ったら1000人キャパで単独ライブやるって言ってたんですけど、1位獲れなかったからアーカイブの方でやろうと。
そこで獲れなくてもやるのは決定してたんですけどね(笑)。
久保さん:だから僕はそういう気持ちでいましたよ。獲れなくてもやるのになぁって。
ーーそうなんですね(笑)。
高倉さん:アーカイブの結果が出るまでずーっと胸がいたかったです。
ネタどうしようとか優勝しなきゃとか、「M-1グランプリ」出てたときみたいな久しぶりの感じでしたね。
賞レースの感覚を思いだしましたね。
楽しくはやってるけど、胸の中には不安とかドキドキずきずきみたいな状態がずっと続いてたんで、終わってスッキリしましたね。
ーーそれは、辛いとはまた違うんですか?
高倉さん:そうですね、楽しい中の不安とかですね。たぶんプレッシャーかなって思います。
久保さん:自分にプレッシャー与え続けてるんですよね。たぶんですけど、もうちょいで死ぬと思います(笑)。
高倉さん:そうね、心臓が「ぎゅー!パチッ」てなるかもね。
久保さん:死なないようにさせないととは思います。
高倉さん:でも僕Mなんで、それもなんか気持ちいいっていう所もありますね。
ーーでもプレッシャーをかけてるSな高倉さんのいるのでは?(笑)。
高倉さん:そうですね…紙一重ですね。
久保さん:そうですね、じゃないのよ。今気づきましたわみたいな。
高倉さん:イジメたいというSな部分も出てきて…まぁ、セルフでいいですよね。
ーー今回の単独ライブのタイトルが「ラストチャンスと言わないで」ですが、このタイトルになった経緯などは?
高倉さん:ありがたい事に、「G-1グランプリ」に僕らがチャレンジしてるのをドキュメンタリーで撮影しただいたところがありまして、そこのナレーションで「三拍子はラストチャンスだから…」っていうのを入れてもらったんですけど、僕ら的には1回もラストチャンスって発した事は無くて(笑)。
編集した方から見るとそういう風に見えるっていう。
それぐらいの意気込みでやってたって事でもあると思うんですけど、ただ「ラストチャンスって言わないでー?」って(笑)。
久保さん:僕達、ラストチャンスって言われた経験が何回もあるんですよね。なかなか無いと思うんですけど。でもまぁそうやって言ってもらえるうちがね…。
高倉さん:それぐらいの意気込みに見えたんだなって事は良い事なのかなと思って。
だから、今回の単独ライブもそれぐらいの意気込みでやれたらいいなと。
あとはファンの方の気持ちも込めて。
「三拍子、ラストチャンスって言わないで?まだまだ続けてよ?」って思ってもらえるようなね。
久保さん:もうそろそろだと思います。ファンの方から、「ラストチャンスですね!」って言われるのも。
高倉さん:ファンの方達が言い出したらもう本当に。
ーー(笑)。それでフライヤーも土下座してる写真にされたんですね!
高倉さん:そうですね。あとは“ラストチャンス”っていうワードを使うことでヒヤっとしてもらえるかなって。
今見に行かなきゃ!って。
ーー単独ライブの意気込みをお聞かせいただけますか?
高倉さん:ひとつのターニングポイントというか、20周年の節目というのもあるんですが、ここからまた上がって行こうと。
普通にやって1000人集められる漫才師ではないんですけど、まず箱を借りてそこから自分達で人を集めていく、そこからさらに好きな人を増やして行けたらいいなと意気込みで、今までやってきた三拍子の面白い漫才を見てもらって、初めて見た人にも「三拍子って面白いな!」って思ってもらえるような。
20年やってるけどこっからまだまだ行くぞ!ていう所を見せて行けたらいいなと。
ーー1000人キャパにしたのは何か理由がありますか?
高倉さん:まだまだ行くぞっていう示しと覚悟と、あとはたくさんの人に見てもらいたいっていう所ですね。
ありがたい事に200人キャパとかは入るんですけどね、まず借りてそこまでしないと上がって行かないなって。
ーークラウドファンディングをされたとの事ですが、それも高倉さんのアイディアですか?
高倉さん:はい。単独をやっても黒が出ない事が多くて、今までボランティアとか凄い少ない額で手伝っていただいた方がめちゃくちゃいて。
1100のキャパで会場費だけでもめちゃくちゃするんですけど、ペイだけして赤になんなかったね良かったね~だけじゃなくて、プラスαやってくれた人たちにも払えるようにしたいなっていうのがあって。
そこで立ち上げましたね。あとはクラファンをやることによって宣伝にもなるかなって。
ーー今後も同じ形でやっていくことも?
高倉さん:そうですね、今回が成功したら。
あとはリターンで、VIP席も買えるっていうのとか、三拍子を呼べる券とか、高倉があなたの好きなネタを作りますとか。
単独のその先にあるまだ楽しいことも本当のファンの方達は出来るよっていう。
ーー実際に、三拍子を呼べる券を購入された方がいたんですよね?
高倉さん:はい、1人。だからどこに呼ばれるのかドキドキしてます(笑)。楽しみですね。
ーー久保さんはいかがですか?
久保さん:僕としては、高倉さんが10分くらい喋って、僕が「もういいよ!」って言って爆笑が取れるネタを作ってもらいたいなと思いますね。
高倉さん:楽したいんだよね。暑いからね、8月だから。
久保さん:暑いしねぇー。僕があんまり喋らないでウケるっていうのが1番理想なんで。
高倉さんがウケてるうちは僕、仕事ないんでね。
ーー単独ライブのネタ作りはもう始めてますか?
高倉さん:まだ全然これからですね。20周年の面白いやつを凝縮した自己紹介とかもぶつけて、プラス新ネタをやるという形ですね。
久保さん:僕的には、高倉が大きい布を取ったらそこに大きい飛行機が置いてあるとか、“デビッド・カッパーフィールド”的なのやって欲しいね。
高倉さん:それやるには、クラファンであと700万くらい集めないとそんなことは出来ないんだから(笑)。
ーー以前、日本武道館で単独をやるのが夢だとお伺いしたのですが、今回がよみうりホールで、次はどのようにステップアップして行く予定ですか?
高倉さん:2026年、自分が45歳の時にやるっていう目標で、今その一歩として1100人の所でやって、あと1ヵ月で800席くらいあるんですけど…。
武道館って1万4000人とかなんで、これの何倍集客しないといけないんだろうって(笑)。
実際に考えた時に、今回の単独を終えたあとはそこまで大きい単独はやらないで、武道館に向けた準備をして、自分たちを高める準備をして武道館を埋められる人間になって行くっていう作業もがっつりしていかないといけないなと思いましたね。
久保さん:これ以上プレッシャーかけると死んじゃう可能性があるんでね。
高倉さん:やる気だけで出来るもんじゃないんで、しっかりと計画を立てて個々の実力も上げて、2人が合わさった時にデカくなれるようなことをしたいですね。
ーー今回成功したら、2000人キャパでやってみようかとかもありますか?
高倉さん:やっぱりクラファンで支援してもらって、とかってなるとファンの人達が大変だったりとか、来てください!って宣伝しまくって半年後にまたやったりすると期間が短いかなって思ったりしますね。
なので、一旦休みます。
久保さん:やる前から疲れちゃってんじゃん(笑)。
高倉さん:今回は、20周年だからっていうのも乗っかってるのでね。
大きな単独はちょっと一旦抑えるって感じですかね。
あとはいつもやってたような大きさの所で、チケット即完とかを目指せるような人間になりたいです。
ーー最後に、単独ライブに足を運んでくださるファンの方に一言お願いします。
高倉さん:生で見てもらったら間違いなく想像以上に面白いので、自信を持って来てください。
そして、自信を持って友達を誘ってください。スゴイ面白い芸人知ってるね!って鼻高くなれるので、是非足を運んでみてください。
久保さん:来る途中に、水分補給と塩分補給だけ忘れないでください!健康に会場に辿り着いてもらうことが1番なのでね。
4,500円分は楽しんでいただけると思います。
高倉さん:一応3,500円だけどね。
久保さん:あ、これなら4,500円払っても良かったなぁ~って思える単独になると思うので。
高倉さん:来たら儲かる。
久保さん:感覚ですよ?実際に1,000円はあげないですけどね?
三拍子のプロフィール
名前(左):高倉 陵(たかくら・りょう)
出身地:北海道
生年月日:1981年2月16日
血液型:O型
趣味:オリジナルソング作成、味噌、スキューバーダイビング、スナック
特技:料理、一人旅
名前(右):久保 孝真(くぼ たかまさ)
出身地:東京都
生年月日:1981年10月8日
血液型:O型
趣味:スポーツ、ボーリング、西武ライオンズ応援
特技:和太鼓
ボケの高倉陵と、ツッコミの久保孝真の2人によるお笑いコンビ・三拍子。「爆笑オンエアバトル」や「笑いの金メダル」などで活躍し、2014年には「THE MANZAI」で認定漫才師となり、ワイルドカード決定戦から決勝に進出した実績もある実力派。
「芸人1000人にアンケート!! 売れてないけど本当は面白い芸人ベスト10」では、堂々の1位に輝くなど、同業者からの評価も高く、「G-1グランプリ」ではアーカイブ動画対決で見事1位に輝く。
三拍子20周年単独LIVE「ラストチャンスと言わないで」
日程:2022年8月5日(金)
開場:18:00〜/開演:18:30〜
会場:よみうりホール (東京都)東京都千代田区有楽町1-11-1
一般販売チケット:3,500円
→https://t.livepocket.jp/e/sanbyoshi20th
▼三拍子コメント
数年前2026年、三拍子が45歳を迎えた時に『武道館で単独ライブをやる』と心に決めました。
M-1グランプリ出場資格の芸歴15年をすぎて漫才師として世に出るチャンスの一つを失いました。
その時まで漠然と「売れたい」と思っていたが、そんなんじゃダメだと思い、しっかり「どうなりたいか」を考えました。
考えた結果、沢山の人に三拍子の漫才で笑って貰いたい、生で三拍子の漫才を観てもらいたいという結論に至りました。
そう考えた時に頭に浮かんだのが 『武道館で単独ライブ』でした。
約14000席の武道館を埋められるという事は、沢山の人が観たいと思ってくれる漫才師になっているという事です。
その大きな目標に向けて、三拍子はまだまだチャレンジしていくんだ!!自分達の面白い漫才をもっともっと沢山の人達に観てもらうんだ!! そんな気持ちをぶつける第一歩として、今回の「有楽町よみうりホール」1100人キャパのライブを開催する事にしました。
(文・取材:Quick Timez 編集部)
(撮影:RYOUSUKE MAEJIMA)