文:服部慎一

瀬戸康史、『安保闘争』をテーマにした公演に意気込み「大事なメッセージが込められている」

俳優の瀬戸康史さんが主演を務める舞台「彼女を笑う人がいても」のビジュアルと、スタッフ及びキャストのコメントが公開されました。

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瀬戸康史主演 「彼女を笑う人がいても」のビジュアルが公開

「安保闘争」という、現代日本社会を語る上で外すことのできない歴史的事件を題材にした作品「彼女を笑う人がいても」のビジュアルが公開されました。

同作品は、主演を俳優の瀬戸康史さんが務め、劇作家・瀬戸山美咲さんと演出家・栗山民也さんがタッグを組む魅力たっぷりの作品。

栗山さんは、2000年から7年間、新国立劇場演劇部門の芸術監督を務め、 2013年に紫綬褒章受章、2018年読売演劇賞・大賞を受賞するなど、現代日本演劇界を代表する演出家。

一方の瀬戸山さんは、世田谷パブリックシアター主催の若い才能の発掘育成のための事業「シアタートラム ネクスト・ジェネレーション」で2011年に選出されて以降注目を集め、様々な公共劇場での主催公演を手掛けるなど、近年目覚ましい活躍を見せています。

▼あらすじ

2021年、新聞記者の伊知哉は自分の仕事に行き詰まっていた。入社以来、東日本大震災の被災者の取材を続けてきたが、配置転換が決まって取材が継続できなくなってしまったのだ。

そんなとき、伊知哉は亡くなった祖父・吾郎もかつて新聞記者であったことを知る。

彼が新聞記者を辞めたのは1960年、安保闘争の年だった。

1960年、吾郎は安保闘争に参加する学生たちを取材していた。

闘争が激化する中、ある女子学生が命を落とす。

学生たちとともに彼女の死の真相を追う吾郎。

一方で、吾郎のつとめる新聞社の上層部では、闘争の鎮静化に向けた「共同宣言」が準備されつつあった。

吾郎の道筋を辿る伊知哉。報道とは何か。

本当の“声なき声”とは何か。やがて 60年以上の時を経て、ふたりの姿は重なっていく。

▼栗山民也さんのコメント

「あのとき」へ 世田谷パブリックシアターから新しい企画の話があった。

いくつかの候補の中から、瀬戸山さんとの新作を、と答えた。

早速お会いした。自由で熱い作者としての思いをたくさん聞けて、とても楽しい時間になった。

60年の「あのとき」とは、一体何だったのか。

主題は「六十年安保」。

人それぞれ違った歴史があるように、その時代への密かな思いはそれぞれに違う。

学生の時、当時書かれたものを漁るように読んだ。

そして、その時の運動や言葉の断片を勝手に時代の光景として心に刻んだ。

体のどこかに刺さった深い棘のように、 一つのどうしようもない痛みになって残った。

その痛みが何かの時に、ズキンと今に疼く。

この支離滅裂で、痛ましいほどの政治の空白を前に、じっと「あのとき」のあの人たちの気持ちと行動を見つめたい。

▼瀬戸山美咲さんのコメント

その言葉を笑わない60年の安保闘争のことがずっと気になっていました。

デモのさなか、一人の女子学 生が命を落とした。

それが一体どういうことなのか想像できなかったからです。

2000年代初頭、あることに抗議するために初めてデモに参加しました。

でも、数回行ってやめてしまいました。自分の言葉が本当に届いているのかわからなくなってしまったのだと思います。

90年代後半から日本社会全体に冷笑的な雰囲気が広がってきていました。

その空気の中、何かに抗議するということにどこか居心地の悪さも感じていました。

その後もたびたびデモや抗議行動に参加してきましたが、続けることの難しさを痛感するばかりでした。

60年安保闘争のあの若者たちの熱はどこから来て、そしてどこに消えてしまったのか。

それを知ることは、自分や社会全体の「あきらめ」の根源を知ることにもならないか。

そう思ってこの主題を選びました。

そして、あらためて政治と民衆とメディアの間で行き交う「言葉」について考えたいと思いました。

人と人はわかりあえないものだけれど、かつてはもう少し、言葉の意味自体は共有されていたように思います。

でも、今は 言葉が意味を失ってしまった。

そこに思想はなく、ごまかしたり、だましたりするために言葉が使われています。

そして、わかりあえない他者の言葉を冷ややかに笑うことし かできなくなってしまいました。

でも、だからといって、これからもずっとそうだとは思いたくありません。

61年前に命を落とした彼女の言葉は今の私に届きました。

共感でき ることもできないこともあるけれど、彼女の言葉には命が宿っています。

その言葉を私は笑いたくない。

言葉の持つ可能性はまだある。

そう信じて、この作品を届けたいと思います。

▼瀬戸康史さんのコメント

初めて栗山民也さんと瀬戸山美咲さんとご一緒させていただきます。

栗山さんの作品は何作も見ていて、ぜひご一緒したいと思っていたので、本当に嬉しいです。

瀬戸山さんはとても勢いのある劇作家さんだと思っていたので、今から稽古が楽しみです。

安保闘争という難しいテーマではありますが、この作品には人間にとって、今の時代にとって、大事なメッセージが込められているのではないかなと、感じています。

安保闘争の時代を生きた人物の心情を体全体で演じることができればいいなと思います。

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『彼女を笑う人がいても』公演概要

【作】瀬戸山美咲

【演出】栗山民也

【出演】瀬戸康史、木下晴香、渡邊圭祐、近藤公園/阿岐之将一、魏涼子/吉見一豊、大鷹明良

【日程】 2021年12月4日(土)~12月18日(土)

【会場】 世田谷パブリックシアター

・12月 7日(火)18:30 瀬戸康史 近藤公園 阿岐之将一

・12月 9日(木)18:30 木下晴香 渡邊圭祐 阿岐之将一

・12月14日(火)18:30 瀬戸山美咲 野村萬斎 (世田谷パブリックシアター芸術監督)

【チケット料金】 一般 : S席(1階席・2階席)8,500円、A席(3階席)6,500円

劇場友の会割引 : S席(1階席・2階席)8,000円、A席(3階席)6,000円

せたがやアーツカード割引 : S席(1階席・2階席)8,300円、A席(3階席)6,300円

ほか高校生以下、U24など各種割引あり ※託児サービスあり ※車椅子スペース取扱あり

【チケット取扱い】 世田谷パブリックシアターチケットセンター

電話番号:03-5432-1515(10~19時)

世田谷パブリックシアターオンラインチケット:https://setagaya-pt.jp

【チケット一般発売】 2021年10月10日(日)

【『彼女を笑う人がいても』公式Instagram】 ユーザーネーム:kanojyo_sept

【お問い合わせ】 世田谷パブリックシアターチケットセンター

電話番号:03-5432-1515

ホームページ:https://setagaya-pt.jp/

<ツアー公演>

・福岡公演 [日時] 12月22日(水)18:30

[会場] 福岡市民会館・大ホール

・愛知公演 [日時] 12月25日(土)~26日(日) [

[会場] 刈谷市総合文化センター 大ホール

・兵庫公演 [日時] 12月29日(水)18:00/30日(木)12:00/30日 (木)17:00

[会場] 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール